下関酒造,獅道,純米大吟醸,内田喬智

下関酒造のブランド化

私と父でもある内田忠臣社長は、最高の酒を皆様にお届けするという信念を共にしますが目指す理想とするところは異なります。

社長は、高品質な酒をリーズナブルに造り、たくさんの人達に毎日飲んでもらうという考えのもと、酒造りを進めます。

マスマーケッティングのやり方で、場合によっては値下げもいとわない。

そのタイプの酒はもちろん1アイテムとしてあってもいい。

ただ私が目指す下関酒造は未来のワールドスタンダード

価格ではなく、必ず満足していただけるアイテムをお届けしたい。

値は張りますが、決して高いとは思わないようなクオリティ、実績、感動をもって下関酒造をブランド化していきたいと思っています。

その点で、よく意見が対立しますね。

ところでよく勘違いされるんですけど、下関酒造は、どうしても自分たちの米で酒を造りたいのだという地元農家さん達の決起で生まれた熱い会社ですから、決して内田家の世襲というわけではありません。あくまでの発起人の1人であったということです。

そうして念願の酒造りが始まったわけですが、創業から長らく代表も移り変わり、ピンチが訪れます。

想いはすごく強いけど、会社の運営には不慣れな団体だったんですね。いつのまにか内部も設備もぐちゃぐちゃになっていたそうです。そんな中、私の祖父に声がかかったのが始まりです。

蔵元の5代目に就任した祖父は元々陸軍将校でした。終戦後は大洋漁業に入社すると、皆さん良く知る「魚肉ハムソーセージ」を生み出し20年かけて日本一に育て上げた、非常に営業能力に秀でた人物。営業方針も「攻撃は最大の防御」というさすが軍人出身だけに豪快です。

6代目の父は造船所出身で、バリバリの技術屋。世界を相手に船を造っていたので、機械のことならお手の物です。ラリーにテニス、スキーにクレー射撃・・と多趣味な社長です。

5代目が営業を立て直し、6代目が機械設備やシステムの近代化を促進する。

そして7代目と続く私はというと、当然この2人の血を直で継いでおりますので、ありふれた酒を大人しく造り続けるつもりはありません。

父は祖父から経営を任されていますが、「酒の世界は厳しいから」と、私を継がせる気はなかったようです。

私自身、在学中は普通の蔵元が学ぶ醸造学ではなく、最後にやってみたかったことを勉強してみたいと思い神戸の芸術大学で建築デザインを学びました。

そして大学卒業後は「他人の飯を食ってこい」と、父の尊敬する方の勧めで、本社のある京都から世界に展開する模型造形企業に勤めました。

小学生のころからずっと下関酒造で働くのだという気持ちを持っていましたから、3年間の修行の後、ついに蔵に入りました。

当時、蔵が海外展開を考えている時期で、会社に海外人材がいないこともあって、私が英国留学することに。しかも、まさかの全額自費で!

2年間、蔵に入って酒造りをしながら、イギリスでの語学学校や滞在費用を稼ぎました。

経費を抑えるためすべて自分で手配をし、晴れてロンドンで英語を学ぶことが叶いました。

そのまま帰国するのもなんなので、卒業後は数週間アフリカを旅したりもしました。

正直、ストレートに酒の世界へ入った方々と比べると、私はずいぶんと回り道をしていますね。

さて下関酒造に入って営業や酒造りを経験して、わかったことがありました。

たまたま営業で入ったお店で、イメージが悪いことを知るのです。

関娘は「安い酒」でした。

下関酒造,日本酒,コストコ,大吟醸

ただ、自ら蔵で酒造りをしたからこそ、うちの酒はうまいとわかっていました。

大昔のイメージや、まだ飲んだこともない人たちから、変なレッテルを貼られているな~と知りました。

だったら、格別にクオリティーの高い日本酒をつくって、蔵のイメージを変えていこう。

そういう思いも含み、開発したのが、純米大吟醸の「獅道 38(しど)」であり、純米吟醸の「蔵人の自慢酒」です。

今まで蔵で造ってこなかった純米系の高級酒シリーズです。

リリース直後、「ロンドン酒チャレンジ」で「蔵人の自慢酒」が英国最高位のプラチナ賞に輝くなど、積極的に国内外の酒類競技会に挑むと、すばらしい栄誉が続きました。

ここ数年の優秀な賞の受賞によって、蔵の力量は、客観的にも証明されたと思います。

下関酒造の新しい時代

今後は「関娘」など昔ながらの商品もどんどんリニューアルして、下関酒造に対する世間のイメージを強力に変えていきます。

もちろん、リーズナブルなお酒は下関酒造には必要だと思いますが、私は昔からのやり方に固執するつもりはありません。

これからは、私なりのやり方で下関酒造の新しい時代をつくっていきます。

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私には「未だかつてない感動体験をすべてのお客様へお届けする」という目標があります。

そして、ではなぜ今高級酒を醸して世界の競技会に出品し、賞の獲得を狙い続けているかというと、この目標のためには、下関酒造のブランドを世界中の方に知っていただく必要があるからです。まずは世界最高の一角となる。

決して容易な道ではありませんが、次のステップへ進むための必須プロセスです。

我々の「獅道 38」が本物の獅子となったとき、本当の意味で下関酒造は出発点に立ちます。

そして私の夢見るサービスを、すべての方にお届けします。

我々はすでに走り出しています。

どうか一緒に、下関酒造が贈る獅子奮迅の物語を楽しんでいただければ嬉しい限りです。

一献、酒でも飲みながら。

下関酒造株式会社